2021年8月19日木曜日

基本は跳躍・支持・懸垂運動

 私は3歳までを脚力発達期ととらえています。立って、歩いて、走るという力をしっかりと身に着ける時期です。そして3歳ないしは4歳から6歳ぐらいまでは、胸郭発達期ととらえます。胸郭というのはおへそから上の部分の胸をとりまく部分です。いまは、この腕を使う動きが、生活のなかからとても少なくなっていることもあって、腕を使う動きと足を使う動きのバランスが取れていない子どもたちがたくさん育っているように思います。ですから私のプログラムでは、この腕を使う動きをたっぷりと取り入れているのも特徴です。

 目標にした4つの運動ができるようになるために、どうしても必要になってくるのが、跳躍運動・支持運動・懸垂運動の3つです。

 跳躍運動は下半身の筋肉を使います。ジャンプする力です。跳び箱や、なわ跳びは、この跳躍がじょうずにできなければ、できるようになりません。動物のまねなどを採り入れながら、どんどん飛び跳ねてください。最初はドタバタだった子どもたちも、じょうずに援助してあげると、正確できれいなジャンプができるようになっていきます。

 支持運動は、腕でからだを支える力です。私は、現代の子どもたちにいちばん欠けている力が、支持力ではないかと思っています。この能力を身につけることで、できる運動がグンと広がってきます。具体的には、動物になって4つ足で歩く、腕で支えてカエルのように跳んでみる、といったあそびを繰り返しながら、力をつけていきます。跳び箱で体重を支えるとき、側転のとき、逆上がりのフィニッシュで上半身をグッと伸ばすとき、支持力が必要です。

 懸垂運動は、ぶら下がる力です。鉄棒にぶら下がっているとき、この力がないとすぐに落ちてしまいます。逆上がりの時グイっとからだを持ち上げる力も懸垂力です。登り棒や雲梯で、いろんなぶら下がりあそびをしながら力を育てていきます。この力がつけば大きなケガをすることもありません。

参考資料 柳沢運動プログラム より